売り買いによって
ジグザクのチャートが形成される相場。
その種類は多くあります。
・インデックス
・個別株
・FX
・コモディティ
・仮想通貨
などなど
ここに来た皆さまも、
これらに投資しているか、
その投資に興味を持っていると思います。
上にあるような投資先では
必ずジグザグのチャートが形成され
そのジグザグの過程でトレンドが発生したり、トレンドが無くなったりします。
トレンドが有るか無いか、
それを読み解くために必要なのが、
私がここで扱う波動理論です。
これは、トレンドに乗って利益を出すために知っておくべき「共通の基本」です。
波動理論の生みの親になっているのは
ダウ理論やエリオット波動理論などがあります。
それぞれを知りたい方は検索をしてみていただければ良いかと思います。
この記事では
それらに共通する
とても大切で基本となることを
できるだけ分かりやすく整理したいと思います。
これは
テクニカル分析でトレードするだけでなく
ファンダメンタル投資、個別株投資、超長期積立投資などをする上で、
負けないために、絶対知っておいてほしい内容です。
トレンドがある状態
ジグザクのチャートを見ていると
大きく3つのパターンがあることがわかります。
①上に向けて上昇しているチャート
②上下しているけど、大まかには横ヨコしていて、さして変化のないチャート
③下に向けて下落しているチャート
これらのうち
アクティブ運用の投資でポジションを取って良いのは
トレンドのある状態の①と③です。
具体的にポジションを取る際には、
上昇であれば買いポジション
下落であれば売りポジション
を取ります。
*長期積立投資では、ずっと上昇トレンドにある商品を買うことが前提ですね。
(典型例:S&P 500、NASDAQ100など)
逆に
真ん中のトレンドが無い状態の②では
その後の動きを一定の確実性をもとに予測できないため
ポジションを取ってはいけません。*赤字にしたいくらい重要!!
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厳密に言うと
トレンドの無い状態でも
小さなトレンドを見つけてポジションを取ることはできます。
それについては、また機会があれば記事にしますが、
中級者〜上級者向けです。
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ここまで聞くと
「なんだ、当たり前じゃないか」
と思われる初心者の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、大前提として
このトレンドの有無はしっかりと確認しておく必要があります。
上昇トレンドの波動
「売り」と「買い」によって成りたつ相場では
必ずジグザグのチャートが形成されます。
上昇トレンドでは
そのジグザグが一定期間
上を向いて連続的に変化していきます。
そのジグザグを捉えることが
「波動を認識する」ための第一歩になります。
先程の①のジグザグでは
例えば次のように
大まかな波動を引くことができます。
分かりやすく、
ジグザグの「上昇部分を赤」「下落部分を青」にしています。
この区間では第9波動まで引けました。
波動がどの数字まで続くかは
その時々によって異なります。
この時、
奇数の波動(1、3、5、・・・)は
全体の上昇トレンドと同じ素直な方向に大きく上昇しています⬆︎。
偶数の波動(2、4、6、・・・)は
全体の上昇トレンドに対して反対の方向に小さく下落しています⬇︎。
この偶数の波動は
よく「調整」と呼ばれる動きです。
対して奇数の波動には
「調整」の反対語となる名称は一般化されていません。
私は便宜的に、全体のトレンドと同じ順方向の性質(順向性)となる奇数の波動を「順向」と呼んでいます。
すると図式としては次のように整理することができます。
この時、
上昇トレンドが確認されている中で
どこか手前で買いポジションを取っていたとして
現在位置から未来に向け
「トレンドが継続するのか」
「トレンドが終了するのか」
を判断していかなければなりません。
特に注意をしなければならないのは
上昇トレンドが「終了する」場合です。
ちなみに、
トレンドの終了は“必ず”
「偶数の波動」によって生じます。
上図の場合は
上昇トレンドの第6波動の調整が
調整で終わらず大きめの下落をして
トレンドを終了させる可能性があります。
では、
トレンドの「継続」と「終了」の判断基準はどこなのか?
それを確認するポイントは次のようになります。
上昇トレンド「継続」のサインは、次の2つです。
⑴直近高値を更新する上昇がある。(赤→の先の赤●より上抜け続ける)
⑵直近安値を下回ることなく切上げている。(緑→の底の位置が段階的に高くなる)
上昇トレンド「終了」のサインは、次の2つです。
・直近高値を更新する上昇がない。(赤●に到達できず)
・直近安値を下回って切下げている。(青●を下回る)
上昇トレンドの基本パターンの図と照らし合わせると、
上昇4波・調整⬇︎と上昇5波・順向⬆︎が転換する直近安値となる底よりも
上昇6波・調整⬇︎が下回ったら上昇トレンドは終了です。
実践では
上昇トレンド「継続」のサインが出たら
買いポジションを持ち越して利益を伸ばす。
上昇トレンド「終了」のサインが出たら
買いポジションを決済して利益の確定をする。
これをすることによって、
「得られるはずの利益を捨てて小さな決済をすること」
「無駄に含み益を減らして決済をすること(含み損になることも…)」
を防ぐことができます。
これを、数値に基づいた厳密なルールとして行えるのが重要です。
チャートの高値や底値は、数値で見れますので。
これが、「規律性=数値化できるルールを持った投資」ということです。
《損小利大》を実現して、《損大利小》を防ぐためには
必ず知っておく必要のあるポイントです。
これが上昇トレンドの波動の基本となります。
下落トレンドの波動
では、下落トレンドはどうなるのでしょうか。
上昇トレンドの、そのまま逆です。
先程の③のジグザグでは
例えば次のように
大まかな波動を引くことができます。
この区間では第6波動まで引けました。
波動がどの数字まで続くかは
先と同様にその時々によって異なります。
この時、
奇数の波動(1、3、5、・・・)は
全体の下落トレンドと同じ素直な方向に大きく下落しています⬇︎。
偶数の波動(2、4、6、・・・)は
全体の下落昇トレンドに対して反対の方向に小さく上昇しています⬆︎。
ここでも、
奇数の波動を「順向」
偶数の波動は「調整」
としておきます。
すると図式としては次のように整理することができます。
この時、
下落トレンドが確認されている中で
どこか手前で売りポジションを取っていたとして
現在位置から未来に向け
「トレンドが継続するのか」
「トレンドが終了するのか」
を判断していかなければなりません。
ここでも、
トレンドの終了は“必ず”
「偶数の波動」によって生じます。
上図の場合も
下落トレンドの第6波動の調整が
調整に終わらず
トレンドを終了させる可能性があります。
そして、トレンドの「継続」と「終了」の判断基準も同様に
確認するポイントは次のようになります。
下落トレンド「継続」のサインは、次の2つです。
⑴直近安値を更新する下落がある。(緑→の先の緑●より下抜け続ける)
⑵直近高値を上回ることなく切下げている。(赤→の天井の位置が段階的に低くなる)
下落トレンド「終了」のサインは、次の2つです。
・直近安値を更新する下落がない。(緑●に達成できず)
・直近高値を上回って切上げている。(青●を上回る)
下落トレンドの基本パターンと照らし合わせると、
第4波調整⬆︎と第5波順向⬇︎が転換する直近高値となる天井よりも
第6波調整⬆︎が上回ったら下落トレンドは終了です。
実践では
下落トレンド「継続」のサインが出たら
売りポジションを持ち越して利益を伸ばす。
下落トレンド「終了」のサインが出たら
売りポジションを決済して利益の確定をする。
これも
《損小利大》を実現し、《損大利小》を防ぐため
必ず知っておくべきポイントです。
これが下落トレンドの波動の基本となります。
まとめ 〜波動の最小単位を「N字」で捉える〜
本記事のおさらいをした上で
さらに全体を共通する純粋化させたまとめをして終わりたいと思います。
【1】トレンドのある状態の相場に乗ること。
アクティブ運用では、上昇か下落はどちらでも良い。
上昇では買い、下落では売りでポジションを取る。
*長期積立では上昇トレンドが前提。
【2】上昇も下落も、トレンドには必ずジグザクがある。
そのままです。
【3】上昇も下落も、トレンドの波動全体は、
奇数の波による大きな「順向」の伸びと、
偶数の波による小さな「調整」の伸びが、
交互に入れ替わって出来ている。
【4】トレンドの継続は、
奇数の「順向」波が大きく、
偶数の「調整」波が小さい時に生じる。
★トレンド更新パターン
上昇トレンドでは、直近の高値を上へ更新し、直近の安値を切り上げる。
下落トレンドでは、直近の安値を下へ更新し、直近の高値を切り下げる。
【5】トレンドの終了は、必ず偶数の波によって生じる。
偶数波の「調整」が、
直前奇数波の「順向」の値幅を超えて、
大きく伸びた時である。
★トレンド終了パターン
上昇トレンドでは、直近の高値を上へ更新できず、直近の安値を切り下げる。
下落トレンドでは、直近の安値を下へ更新できず、直近の高値を切り上げる。
→上にあるトレンド更新パターンの逆です。
ここまでに、
チャートのジグザクを
奇数と偶数の波動として捉えることの大切さを解説してきました。
この一連のジグザグ、
未来にどこまで続くか分からない波動は「分解」できます。
上昇トレンドではアルファベットの「N」の字になります。
下落トレンドでは逆「N」の字です。
これが波動理論の最小単位です。
N字は3つの波でできています。
第7波動まで続いている上昇トレンドを例にあげると、次のようになります。
すると、❶、❷、❸の3つの「N字」が見えます。
それぞれのN字には、⑴-⑵-⑶の波があります。
そして、❶から❸にかけて、⑶と⑴は重複しています。
この時、トレンドの発生や継続は⑵より⑶の方が垂直の値幅が長くなった場合。
逆に、トレンド終了は⑴より⑵の方が垂直の値幅が長くなった⑵’の場合(❸で例示)。
となります。
同様に下落トレンドを例にあげると次のようになります。
ご覧のように❶、❷、❸の「逆N字」が見えます。
それぞれの逆N字には、⑴-⑵-⑶の波があります。
この時、トレンドの発生と継続は⑵より⑶の方が垂直の値幅が長くなった場合。
逆に、トレンド終了は⑴より⑵の方が垂直の値幅が長くなった⑵’の場合(❸で例示)。
となります。
波動理論の
最も強力で純粋化された成果は、この「N字」波動の認識にあります。
・⑵より⑶の方が値幅が長くなったらトレンドの発生か継続。
・⑴より⑵の方が値幅が長くなったらトレンドの終了。
これにより、
一定の確実性に基づいてチャートを予測しつつ
・ポジションを取ること
・利益確定をすること
・損切りポイントを予め決めておくこと
を可能にしてくれるのです。機械的に。
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